栄とし覚え書き(日記)
先代の弟子
2007年05月19日
オヤジ(先代)には、3人の弟子がいました。
オヤジが最初の弟子を取ったのは、戦後間もなくの頃だったようです。
オヤジがまだ三代目(前回の略系図参照)の代わりに本家で仕事をしていた頃です。
戦後間もなくの混乱期でしたので、どこの家もギリギリの生活で、子どもを弟子に出すというのはハッキリ言ってしまえば「口減らし」に近い状態だったようです。
80の看板娘に聞いたのですが、親が何も持たずに小学校低学年くらいの子供を連れて頼みにくるのだそうです。反対にオヤジの方が後日、何がしかの物を持って挨拶にいったのだそうです。
当然、小僧ですから住み込みです。まともな仕事等できるわけがないので、給料はありません。時々、小遣いくらいはやっていたそうです。最初に弟子入りしたT氏が、オヤジの葬式の時に「箸にも棒にも引っ掛からねかった悪ガキのオレを、親方は仕事しながら学校の勉強まで教えてくらった。」と、涙ながらに話してくれました。
他の2人の弟子のうち、1人は中学校を卒業したとたんに、親が引取りにきてよその工場に働きにださせたそうです。もう1人は、直ぐに実家に帰っていったそうです。
いくら戦後の混乱期とはいえ、子供の生活費と学費をださせておいて卒業させてもらったら、いきなり連れて帰るなんてね〜。よくオヤジは、怒らなかったもんですね!
私は、弟子を取ったことがないので分かりませんけどね〜(^^)
次回につづく